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安心して楽しむために。インフレータブルボートの安全対策と注意点|BLOG

2025.06.24

安心して楽しむために。インフレータブルボートの安全対策と注意点

インフレータブルボートでの水上アクティビティは、本当に楽しいもの。手軽に水辺に出られて、景色を楽しんだり、釣りをしたりと、非日常の体験が味わえます。しかし、水上での活動には、陸上とは異なる特性やリスクがあることも忘れてはいけません。

「安全に楽しむためには、どんなことに気をつけたらいいんだろう?」「準備しておくべきことは何?」そんな風に考えている方もいますよね。

この記事では、皆さんがインフレータブルボートを安全に、そして安心して楽しめるよう、重要な安全対策のポイントと注意点を紹介します。大切なご自身の命を守るため、そしてご家族や仲間と楽しい思い出を作るために、ぜひご一読ください。

 

インフレータブルボートは安全です

インフレータブルボートは、その構造上、高い浮力と安定性を持つように設計されています。多くのモデルは複数の独立した空気室(多気室構造)に分かれているため、万が一空気室が損傷しても、すぐに沈没するような事態にはなりにくく、安全に岸へ戻れるよう工夫されています。

しかし、水上という特殊な環境で使うものである以上、予期せぬ事故を防ぐためには、ボート自体の安全性だけでなく、私たち自身の安全への意識と適切な処置が不可欠です。

万が一の事故は、知識不足や準備不足、あるいは油断によって引き起こされることが多いため、事前にリスクを理解し、対策を講じることが大切です。最高の思い出を作るためにも、水上に出る際はけっして油断しないようにしましょう。

 

インフレータブルボートに乗る前の「準備」で安全を確保!

出艇する前の準備が、安全の大部分を占めます。ここを怠らないようにしましょう。

ライフジャケットはきちんと着用する

これは、どんな水域でもどんなに泳ぎに自信があっても守っていただきたいルールです。

  • 全員が着用: ボートに乗る人全員が、出発から帰着までライフジャケットを着用しましょう。お子さんだけでなく、大人の方も例外ではありません。
  • 正しい装着: サイズが合っているか、バックルがしっかり締まっているかを確認し、正しく装着してください。

天候と海の状況を徹底的に確認する

水上の天候は陸上より変化しやすく、特に風の影響を受けやすいのがボートです。

  • 現地の天気予報: 日本気象協会や気象庁のHPなどで、出艇する水域の天気予報(風向き、風速、波の高さ、潮の流れなど)を必ず確認してください。
  • 急な天候変化への備え: 晴れていても急な雷雨や突風に見舞われることもあります。空の様子にも常に注意を払い、早めに引き返せる準備をしておきましょう。
  • 少しでも不安なら中止: 予報が良くても、現場で風が強いと感じたり、波が高かったりする場合は、無理せず中止する勇気を持ちましょう。「まだ大丈夫だろう」という油断が、事故につながることがあります。
    特に友人同士で出かけると「せっかくだから」「こちらから誘ったので中止にしようと言いづらい」などの心理が働きやすくなるため、トラブルのリスクが高まります。

装備品は忘れずに準備する

万が一のトラブルに備え、必要なものを必ず携行してください。

  • 予備のオール: 船外機(エンジンやエレキ)を使用する場合でも、動力トラブルに備えて必ず手漕ぎ用のオールを用意しましょう。
  • 携帯電話(防水対策をして): 連絡手段として必ず持参し、防水ケースや防水バッグに入れて水濡れ対策を徹底しましょう。
  • ホイッスル: 助けを求める際に、大声より遠くまで響きます。
  • 飲料水・非常食: 長時間漂流するなどの万が一に備え、少しでも用意しておくと安心です。
  • ライト・ヘッドライト: 航行中、暗くなってきた際の備えとして必要です。
  • 修理キット: 小さなパンクや穴の修理のために、修理キットを常備しましょう。接着剤の有効期限も確認してください。

ボートの点検を怠らない

出艇前に、ボート本体の状態を必ず確認しましょう。

  • 空気漏れのチェック: 膨らませた後、バルブやチューブに空気漏れがないか、石鹸水などを使って確認します。
  • 適切な空気圧: お持ちのボートの推奨空気圧を必ず守って膨らませましょう。空気をパンパンに入れすぎたりグニャグニャするほど足りないのも、ボートの安定性や耐久性を損なう原因になるため、プレッシャーゲージ(圧力計)を利用するのがベストです。
  • 各パーツの固定: エンジンやランチングホイール、シートなどがしっかりと固定されているか確認しましょう。

 

水上での「行動」で安全を意識!

実際にボートに乗ったら、水上での行動にも細心の注意を払いましょう。

無理な航行は絶対に避ける

  • 過積載をしない: ボートの定員や最大積載量を必ず守りましょう。重い荷物を積みすぎたり、定員以上の人を乗せたりすると安定性が失われ、転覆のリスクが高まります。安定性確保のため、荷物はボート内でバランスよく配置してください。
  • 悪天候での出艇を避ける: 強風時や高波時はもちろん、少しでも不安を感じたら無理をして出艇しないことが賢明です。
  • 体調が悪い時は休む: 体調が優れないときは、水上での活動を控えましょう。

周囲の状況に常に注意を払う

  • 他船との距離: 引き波を考えて、他の大型船舶や水上バイク、漁船などとは十分な距離を取り、航行を妨げないようにしましょう。
  • 遊泳者に注意: 釣りや航行の際は、遊泳者がいないか注意深く確認しましょう。
  • 障害物: 水中に隠れた岩や流木、浅瀬など、ボートを傷つける可能性のある障害物には近づかないようにしましょう。

フィールドのルールとマナーを守る

  • 漁業権・航行禁止区域: 漁業権が設定されている場所や、ボートの航行が制限されている区域があります。必ず事前に確認し、ルールを遵守しましょう。
  • ゴミは持ち帰る: ゴミは必ず持ち帰り、水域を清潔に保ちましょう。これは環境を守るだけでなく、ボートや他の利用者の安全にもつながる大切なマナーです。安全な水域を維持し、利用者同士のトラブルを防ぎ、地域住民との良好な関係を保つためにも、必ず徹底してくださいね。

 

インフレータブルボートは沖に出てからの視認性が低く、大きなボートからは見えづらいこともしばしばです。そのため海上保安庁では、ボートの位置を周りにはっきりアピールできる「安全フラッグ」の装備を推奨しています。

安全フラッグ(SF-2)【ポール全長】2.7m【折り畳み時】92cm
SF-2.jpg

ジョイクラフトの安全フラッグは、振出し式のポールで組み立ても簡単。軽くて持ち運びやすく、ボートの腰掛板にはフラッグ用の穴が開いており、船内チューブのアイにポールを通せば、簡単に取り付けられます。現在ほぼすべてのボートに標準装備していますが、パーツとしての取り扱いもありますので、他社のボートをお持ちの方もぜひご利用ください。

 

まとめ

インフレータブルボートは、水上での素晴らしい体験をもたらしてくれる唯一無二のアイテムです。しかし、その楽しさを実現するには、常に「安全」という大切な要素があることを忘れてはいけません。

事前の入念な準備、ライフジャケットの確実な着用、天候判断、そして水上での慎重な行動。これらの安全対策をしっかりと守ることで、予期せぬ事故のリスクを大幅に減らし、インフレータブルボートでの時間を心ゆくまで、安心して楽しめます。

大切なご自身と、共に水上に出る方々のために、ぜひ安全を最優先に考えた行動を心がけてくださいね。